当院で行なっているオステオパシーという治療法は、1874年に米国のA.T.スティルという外科医が既存の医療に疑問を抱き、薬剤や外科的手術に頼らずに手技で器官を正常化する治療法を確立したのが始まりです。
オステオパシーとは、腰痛や関節痛などの筋骨格系疾患(筋肉や骨格に影響を及ぼす疾患)を診断し、治療するシステムです。内臓や動脈を含めた全身の構造と機能に焦点を当てていきながら、骨格、筋肉、靭帯、結合組織がすべてスムーズに機能することで、痛みが改善され総合的な健康状態が獲得できる、という考えに基づいています。
腰痛や関節痛が深刻な問題を引き起こしていたり、改善しない場合は 、手技療法を試してみる価値があるかもしれません。
熟練した様々手技で関節や軟部組織を操作して動かし、身体をバランスの取れた状態に戻していきます。
オステオパシーでは手技を用いて痛みを軽減し、再発を予防します。これらの技術は、緊張をほぐし、体の動きを改善することを目的としています。
短期的または長期的な腰痛や関節痛全般に効果を期待できます。また、背中から脚にかけて痛みが広がる坐骨神経痛にも効果があります。
症状の改善を促進させるための食事法や日常で注意すべき事を提案したり、運動に関するアドバイスを行うことで治癒のプロセスを高めていきます。

Andrew Taylor Still医学博士について
スティル医師は1864年カンザス州全域を襲った流行性髄膜炎により3人の娘を次々になくしました。医師でありながら、娘達を救えなかった後悔と水銀などを用いる当時の薬剤治療に疑問を持った事から、自然治癒力を発動させて症状を治癒へ導くオステオパシーの考え方を実践する事に生涯を捧げたのです。
彼は研究の中でどんな病気の患者も必ず筋骨格系に異常がある事に気づきました。
また、血液循環や神経支配機能がバランスを崩して不調になると様々な症状を引き起こす事もわかりました。
そして、この循環系や神経系の動きを妨げる主たる原因が身体の各部分をつなぐ関節の動きの低下といった構造的機能の問題と軟組織である筋膜の機能的問題であると結論づけたのです。
当時、既存の医師たちからは相当なバッシングを受けながらも米国国内で徐々に認識を高めていったこの治療理論は1892年に政府に正式に認可されカンザス州に医科大学として大学を開校する迄に至りました。
その後スペイン風邪が世界的に猛威を振るった時、このオステオパシーの治療を受けた人々はそれを受けずに一般的な医療を受けた人に比べて致死率が圧倒的に低かった事が認められて一気に認知を高めていきます。
またその後に起こった第二次大戦では一般的な医師達がオステオパシー医が軍医として赴任するのなら自分達はボイコットするという立場をとった為オステオパシー医達は本国に残されて自国民のために治療をしていたのですが、その時の治療効果が良かった為ここでもオステオパシーに対する認識は広まっていったのです。
上記の内容を説明しているYouTubeも御座いますので、ぜひ一度ご覧ください。
「痛い所」ではなく本当の原因へアプローチ
当院ではこのオステオパシーというメソッドに沿った治療法を中心に行なっている為
“痛い個所に集中してアプローチする治療法” ではなく
“身体全体の機能を正常化してそれに付随して痛みも取れてくる”
といういわゆる
“WHOLE BODY THERAPY”というスタンスで治療にあたっています。
痛みを速く的確に治すのは正確な診断力と熟練した技術以外にありません