前回に続きホリスティックな診断が治癒を促進したお話しをしましょう。
50代の男性がテニスのゲームの後、猛烈な右腕の神経痛を伴う首の痛みを発症して来院されました。
首を前に曲げていないと右腕に激痛が走るので枕を極端に高くしないと仰向けで寝られない状態でした。
一般的には頸肩腕症候群と呼ばれる、首から出ている腕神経叢が圧迫されて出る夜も眠れない程の強い痛みを伴う神経痛です。
通常 整形外科で画像診断を受けると大体
“頸椎3番から7番あたりの関節の
間が狭まって神経を圧迫して出ている痛み”
として投薬やブロック注射などで治療を進められていく事が多いケースですね。
この方も整形外科を受診され検査を受け固定用カラーを装着して来院されました。
骨格的には頸椎から胸椎が左に強く湾曲しており、全身の検査後手技で速やかにこの歪みは修正できたのですがこの時、肝臓に強い異常を感じたのです。
通常肝臓の異変というとアルコールや砂糖もしくは脂肪分の過剰摂取との関連を考えますが、この方は問題になる様な摂取量ではありませんでした。
ただ、少し気になったのでこう聞いてみました。
「AGA治療薬(薄毛治療薬)を飲んでいませんか?」
とお尋ねすると少し驚かれて
「いや、すっかり飲んでいた事を忘れていましたが最近まで1か月間お試しで飲んでいました!」
この方何故その薬品を飲んでいたのが分かったのかとても不思議そうにしておられましたが、今回の痛みの原因が肝臓だとお伝えすると更に驚かれていました。
この方特別毛量が少ない訳ではないのですが
全体チェックの際、髪質がこの治療を受けている人特有の状態だったので気づいたのです。
この薬は飲み始め一時的に肝機能異常の数値が上がる副作用が報告されていますが、この肝臓が疲れてしまいそれに連動して元々あった骨格の歪みが増幅された事がこの神経痛の原因だったという訳です。
内臓の不調が骨格に影響を及ぼすなんて不思議に思われるかもしれませんが、これは日常の治療でも頻繁に見られる事象です。
骨格バランスを整え、肝臓の状態を修正した事で痛みはその場で緩和され1週間後2回目の受診時に痛みは ほぼ改善され仰向けでも寝られる様になっていました。
このAGA治療薬の副作用による症状はこれまでにも多数遭遇していますが、痛みは腰に出たり肩に出たりと様々です。
この患者さん、今回は1か月のお試しでしたが仮にこのまま投薬を続けておられたらおそらく痛みはもっと続いていた事と思います。
全く問題無くこの薬品を服用されている方もいるので、今回はこの方の骨格の問題や内臓のコンディションが複合して発症したという事の様ですね。
「内臓の状態は関節や筋肉など運動器に連動する」
今回もホリスティックな診断の重要性を考えさせられるケースでした。



コメント