【クレバーな野球少年、君は患者の鏡だ!】

お母様に連れられてやってきた11歳の野球少年、膝のオスグッド‐シュラッテル症と整形外科で診断され電気治療や運動療法などをほぼ毎日のように2か月間受け続けてきたのですが、改善されないとの事でした。

オスグッドとは成長期におこる膝のお皿の下靭帯付着部の痛みなのですが、体のバランスを修正してあげると

当院では早ければ1~2回の治療で緩解していく症状です。

施術を終えて今後の注意事項を伝え始めました。

「甘いものが好きみたいだけど今回の痛みの原因にもなっているから痛みがひくまでゼロにできるかな?」

「大丈夫です!完全にやめます!」

(このリアクション、なかなかできないんです。大抵苦笑いしながら「控えてみます、、、」とか「黒糖ならいいですか?」などと皆さん往生際が悪いんですね、、)

「2~3週間後には治っていると思うけれど今日から1週間野球は完全に休めるかな?」

「はい!休みます!」

すると、お母様が

「今週末の試合はどうするの?」

「だって、治ってないのにやっても意味ないじゃん!」

素晴らしい

その通りです。

治療後その場で痛みが取れたので1週間の安静を指示すると「3日後にテニスの試合が、、、」とか「明日ゴルフに誘われていて、、、」とかでこの安静期間を守らないでよいのか聞いてくる方が多いのですが、全く理解に苦しみます。

車椅子で来られて帰りは歩いて帰られる方なども普通におられますが、この状態というのは「治った」状態ではありません。

骨折や靭帯断裂などは別として、痛みが出た状態というのは最低でも3か月以上かけて潜在的に蓄積されてきた無理な使い方が表面化したという事なのです。

ですから、体が良い状態を再認識するためにはそうなるまでの時間に相対した治癒期間が絶対に必要なのです。そこを無視してスポーツをやりたい欲求に従ってしまうと、なかなか治らなくなってしまうという訳です。

よくオリンピック選手が試合に出るために鎮痛剤をうって臨んだ逸話が美談的に語られますが、そのレベルでは確かにしょうがないと思います、後がないしプロですから。 ところが何故か学生スポーツのレベルでも同じようなことをすることが美徳的だという風潮がはびこっています。

「僕が休むとチームに迷惑がかかるから」とか「休むとポジションを奪われるから」などの発想から

「通院しながら練習もする」という不思議なリクエストをしてくる方がいるのですが

「だって、治ってないのにやっても意味ないじゃん!」

このフレーズはポスターにして待合室に貼ってもいいかなと思っております。

ちなみにこの野球少年は3回の治療で3週目に無事完治して練習に復帰しました。

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